H.ミンツバーグから学ぶ経営論①

マネジメント

マネジメントと聞いて皆さまはどんなことを想像しますか?

そんなの言葉にするものじゃない

長年の経験から身につくものだ

部下はおとなしく上司の言うことを聞いとけば良いのだ

なんて考えの方はいませんか?

昭和から平成、令和にかけて
インターネット・デジタル化・SNSが爆発的に普及し、
組織運営のマネジメント手法も大きく変化を遂げています。

今回は『H.ミンツバーグ経営論』から現代におけるマネジメントを考察します。

マネジャー(管理者)の職務とは何か?

ここでは、マネジャー(管理者)の役割を簡単に述べます。
この記事は5分程度で読むことができます。

対人における役割

看板的役割

組織単位の長としての地位にあるため、
どのマネジャーも各種の儀礼にまつわる義務を果たさなければならない。

社長は視察に訪れたVIPをもてなす
職長は旋盤工の結婚式に出席する
セールス・マネジャーは大切な顧客を昼食に誘う

と例が挙げられています。

重大なコミュニケーションや重要な意思決定は、
組織が円滑に機能するためには不可欠であり、マネジャーが無視してはならないものです。

マネジャー(管理者)は、組織や部門の看板的存在であり、
他組織や他部門と円滑なコミュニケーションを取ることが役割な重要であると述べています。

リーダー的役割

マネジャーは組織に属するヒトの仕事に対して責任を負う。

マネジャーは、社員の士気を高め、時には激励し、
それぞれが持つ欲求を組織の目標と合致させなくてはならない。

マネジャーが部下と関わるたびに、部下たちはマネジャーの行動や言動を探り、
どのように賛同してくれるかを探ります。

「上司は賛成してくれるかな?」
「どのように報告すれば上司は気に入ってくれるかな?」
「上司は売上高よりも市場シェアの方に関心があるんじゃないかな?」


マネジャーの影響力は、このように現場力の思考にも大きく関わってきます。
マネジャーには強大な権力が付与されますが、これをどの程度行使するかがリーダーシップということです。

マネジャー(管理者)は、部下にとって絶対的存在である場合が多く、
仕事中にもマネジャーの存在が頭の片隅に存在するものです。

 「○○上司のためならこのように働こう!」
 「○○上司に喜んでほしい!」   なんて思った事はありませんか?

逆に
 「○○上司と一緒だとやる気にならないなぁ・・・」
 「○○上司は命令ばかりで好きに仕事ができないなぁ・・・」 なんて事もありませんか?

人は気持ちの持ちようで同じ仕事も楽しく感じたり、苦に感じたりします。
リーダーによって部下の気の持ちようも変わってしまうため、
リーダーシップを意識する必要があります。

リエゾン的役割

リエゾンという言葉を初めて耳にした方も多いと思いますので、googleで調べてみました。

 リエゾンliaison)とは、本来は「音がつながること」を意味するフランス語で、「仲介」「橋渡し」「つなぎ」などとも訳される言葉です。

すなわち、異なる業種や企業、他の部署、その他の外部組織との仲介役を担う人材です。また、リエゾンは社内でのポジションや職種の名前ではなく、関係各所との調整を行う能力がある人材を指します。

リエゾン型人材が注目を集める背景には、市場におけるニーズの変化やCSR活動の活発化、ビジネスのグローバル化といったメリットが潜んでいます。

最近は、「多様性」や「ダイバーシティ」という言葉をよく耳にします。
ビジネスにおいても「多様性」や「ダイバーシティ」が重要視されており、
企業や組織の持続可能性や新たな顧客獲得など、新たな価値創造が謳われています。

リエゾン的役割は、バラバラの関係性を「つなぎ合わせる」役割を意味しています。
また、バラバラの関係性をつなぎ合わせることでイノベーションへと繋がっていきます。

情報に関わる役割

監視者

会社や組織には様々な情報が流れていますが、
その情報のほとんどが口頭によるものです。

マネジャーは、
  ゴシップ、噂、憶測などの情報
  真実、重要、大切などの情報とを見極めるため、

有益な情報を得るための監視者となります。

散布者

マネジャーは情報の保有者として、情報にアクセスする機会がない部下達にも手渡す必要がある。
また、部下たちが互いに接触しづらい時には、マネジャーが情報の橋渡しをする場合がある。

マネジャーには、情報をきちんと部下に発信する能力、
また、部下たちがもつそれぞれの情報を察知し、迅速に情報共有を促す能力が求められるということになります。

スポークスマン

スポークスマンは代弁者を意味しており、
他の誰かに代わって、話すことを仕事としている者、あるいは、その仕事に選ばれた者を意味します。

例えば、
社長が会社のためになるような講演をする、
職長がサプライヤーに製品の部分的な変更を予告する  などです。

このスポークスマンはマネジャー自身が実行するだけではなく、
スポークスマンとして影響力がある人を見極め、会社や組織に影響力のある人に情報を与えることも意味します。

意思決定に関わる役割

上で述べた情報はそれ自体が目的ではありません。情報は。意思決定におけるインプットです。
マネジャーはこれらの情報をもとに意思決定することが重要視されており、組織の舵取りを行います。

ここでは、意思決定としてのマネジャー像を解説します。

企業家

ここで注意すべきは、「起業家」ではなく「企業家」であることです。
企業家は、担当する組織を改善し、変化する状況に適応させようとする人です。
また、絶えず新しいアイデアに目を配っており、
優れたアイデアがあると、自分が指揮を行ったり、誰かに任せるなりして、実行していく人のことも示します。

時間間隔は様々ですが、新しいプロジェクトを始動させ、古いものを廃棄していく存在を意味します。

障害排除者

障害排除者は企業家と異なりますが、
何らかの変化にやむなく対処するマネジャー像を示します。
マネジャーの想像を超えたもの、たとえば、
  ストライキが起こりそうだ
  重要な顧客が倒産してしまった などです。

当然、マネジャーは動かないわけにはいきません。

障害が生まれるのは原因は、
無能なマネジャーが状況を放置していたばかりではなく、
有能なマネジャーであっても、結果を全て予測することはできず見誤ることもあります。

なので、問題要因を排除できるよう、色んな場面で常にアンテナを張っている必要がありそうです。

資源分配者

組織ユニット内のだれが何を引き受けるかを決める責任者は、その組織のマネジャーに帰属する。

マネジメントを行ううえで、重要なリソース(資源)として、ヒト、モノ、カネ、情報、時間、知的財産がよく挙げられます。
これらのリソースを上手く分配し、権限を委譲(エンパワメント)することが重要です。

マネジャーが自ら全てのリソースを握ろうとするのではなく、任せれる人に一任する。
この一任も勇気を伴う行動ではありますが、マネジャーの意思決定として、とても重要な役割を示します。

交渉者

様々なマネジャーにおける研究結果から、
マネジャーは相当な時間を交渉に費やしていることがわかっています。

交渉は、マネジャーの職務に含まれる義務であります。
理由としては、マネジャーだけが組織内のリソースにリアルタイムで関与できる権限を有しており、
交渉に重要な情報を持っているからです。

マネジャーは、組織の資源を自分の威厳を保つために行使するのではなく、
他の組織と交渉するためのツールであると述べています。
また、交渉者として行動する存在こそがマネジャーとして重要であることがわかります。

まとめ

今回は「H.ミンツバーグ経営論」をもとに、
「マネジャー(管理者)の職務とは何か?」を述べました。

対人における役割
情報に関わる役割
意思決定に関わる役割


それぞれについて述べました。

マネジャーの仕事って、私自身も「フワッ」としている感じがあり、
この本と出会うことで「可視化」していただきました。

可視化する前は無意識的であったものも、可視化すると急に意識化されます。

こういう意識化が良質で良好なマネジメントを促進していくと私は思っています。

今回は最後までお付き合い、ありがとうございましたm(_ _)m

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